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店舗スタッフ・小売業の働き方改革のポイントは? 店舗での導入事例も紹介

働き方改革と小売業が抱える課題

現在、働き方改革は大企業・中小企業を問わず重要な課題となっています。
働き方改革とは、労働者が個々人の事情やライフスタイルに応じた働き方を選べるよう、従来の働き方を見直そうとする動きです。この背景には、少子高齢化による労働人口の減少や、長時間労働の是正を望む声が高まっていることなどが挙げられます。

厚生労働省は公式ホームページにて、働き方改革の目的として『我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています』と述べています。
働き方改革のもと社会が大きく動いていく中、小売業が抱えている課題と解決のヒントは果たしてどこにあるのでしょうか?

働き方改革がうまくいかない理由

現在、日本が直面している少子高齢化長時間労働などの問題に対し、官民でさまざまな取り組みを行っています。たとえばオフィスワーカーにおいては、コロナ禍の中で大きな話題となったテレワーク(リモートワーク)が、以前よりも働き方改革の手法の一環として推進されるようになりました。

しかし、多くの企業・店舗にとって働き方改革の導入は、現実的に難しいものがあります。その要因の1つとして考えられるのが、日本の多くの企業が労働集約的であるということです。小売業界はもちろん、業界・業種を問わずほとんどの企業が社員の労働力に支えられてきました。

そのため、たとえば働き方改革に即した制度を利用して、妊娠・出産・子育て・介護などのために時短勤務や休暇を希望する社員がいる場合、その仕事量はほかの社員の負担となるケースが多々あります。ほかの社員は残業を減らすように指示されている中、大きな負担を抱えることになってしまいます。

また、店舗スタッフの仕事量を減らすことで、マネジャーなどの上司がその分を負担するケースも見られます。すると上司は、多くの仕事を抱えるために仕事の質が落ち、会社の評価を得られずにモチベーションを大きく低下させてしまう可能性があります。

このような事情から、ただ時短勤務などの制度を実施するだけでは、飛躍的な労働環境の改善に至らないケースも多いようです。

小売業が抱える課題

小売業が抱える課題としては、慢性的な人手不足があります。利益を求めた結果、営業時間を延長していったため、余計に人手を必要とする状況に陥った業種もあります。そして長時間労働が生まれ、離職率が上がった結果、さらなる人手不足の加速という悪循環を抱えてきました。

これらは単に人手を増員するだけでは解決せず、働き方改革による勤務体系の抜本的な見直しが要求されます。

与はそのままとしています。残業時間も短縮し、一般的な飲食店の残業時間が200時間といわれる中で、スープストックトーキョーは多くても平均20時間程度となっています。今後は残業時間0を目指していくそうです。

また、店長などはこれまでクレーム対応のために休日出勤をすることもありましたが、現在では対象店舗の店長が休日の場合、近隣店舗の店長やエリアマネジャーが対応しています。そのため、店長でもしっかりと休みがとれるようになっています。

IT活用 で精算・商品管理作業を大幅に効率化「株式会社ビームス

最後に制度ではなく、IT活用により店舗の負担となる作業の短縮に成功した例をご紹介します。

アパレル業界でもIT化が進んでいますが、株式会社ビームスでは店舗内の全商品(約6,000点)に電子タグを装着。そして、POSシステムとRFIDリーダ・ライタを連携させることで、在庫の量を適正に保ち、在庫切れによる販売機会の損失を防ぎました。

仕事の効率もアップし、店舗での棚卸作業を平均40時間から4時間へと大幅に削減しました。アパレルでは取り扱う商品の多様さから、作業の複雑化が問題とされてきましたが、ITの導入によって業務をシンプルにしたことで、スタッフにとって働きやすい環境を実現させた好例です。

以上のような、「店舗の忙しい時間・暇な時間を分析してスタッフの働く時間を改善」「休暇を取りやすい環境づくり」「店舗のIT化」などはメリットも多く、働き方改革の中で考慮に入れておきたいポイントといえます。

まとめ

現在、国をあげて働き方改革が推進されていますが、日本には労働集約的な面があるため、なかなか実現できていない企業や店舗があるのが実情です。しかし、業務の見直しによる業務時間の短縮や残業カット、IT化などにより、売り上げを損ねることなく働き方改革を成功させている企業もあります。実例を参考にし、自社の課題克服に努めましょう。